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若者を、振り向かせろ

巨人は若者をどう掴まえるのか

〜球場をメディア化する野球観戦の魅力創出〜

読売新聞東京本社 事業局スポーツ事業部 大西宏治

巨人主催試合の観客動員が3年連続で300万人を超え、年間を通して満員に近くなってきている。その要因の一つに、ファンの観戦体験を盛り上げる様々な取り組みがある。読売新聞の事業局スポーツ事業部と巨人軍のファン事業部にそれぞれ話を聞いた。

── ジャイアンツに関するスポーツ事業部の役割から聞かせてください。

巨人軍との役割の違いをよく聞かれるのですが、東京ドームなどで行われる巨人主催試合のチケット販売、スポンサー営業、場内演出や運営など「巨人戦の興行」面に関わっているのがスポーツ事業部です。

重なる部分もあるのですが、スポーツ事業部ではより多くの方に東京ドームの巨人戦にご来場いただき、楽しく観戦していただくためのプロモーションやファンサービスを行っています。

── 最近の巨人戦の観客動員数は?

2011年は震災の影響で一時落ち込みましたが、この3年は年間300万人を超えるようになりました。1試合平均の入場者数も増え続け、昨年の東京ドームでの平均入場者数は4万4636人になっています。東京ドームの収容人数は野球観戦時で約4万6000人ですから、年間を通してほぼ満員に近い観客動員を達成しています。ですから、東京ドームで行うファンサービスの企画も、スタジアムが満員になるジャイアンツだからできるものという観点で考えることが多いです。

臨場感を拡散してもらうハッシュタグ

── 今シーズンから始めたファンサービスもいくつかありますね。

若者を意識した企画ですが、自分の持っているツイッター、インスタグラム、フェイスブックのアカウントに「#TOKYOGIANTS」のハッシュタグをつけて投稿すると、投稿した写真が東京ドームのオーロラビジョンに映し出されたり、オリジナルフォトカードとしてスタジアム内でプリントアウトしてもらえるサービスを始めました。

── 実際に投稿するのは、やはり10代、20代が多いですか。

親子連れもいますが、やはり若い人たちが中心ですね。自分の写真が巨大なビジョンに巨大化して映る楽しさや、オリジナルフォトカードも日付が入って記念になると好評です。それと同時に、場内のコンコースに選手の等身大のパネルやYGモニュメントなど新たな撮影スポットも今シーズンからいくつか設けています。巨人戦て楽しい、ということを観客自らどんどん発信してほしいと期待しています。

球場全体で一体感を演出

──球場全体の一体感を演出するものも増えています。

はい。来場者にTシャツを配布し、チームカラーのオレンジと黒の人文字を作る「アランチョ・ネロ」と、タオルで人文字を作る「アシュガマ〜ノ・アランチョネ〜ロ」という企画があります。「アランチョ」はイタリア語でオレンジ、「ネロ」は黒を意味しています。なぜイタリア語かは、謎に包まれています(笑)。5回終了後、観客の皆さんに一斉に立ち上がってもらうと人文字がスタンドに浮かび上がります。その場を共にした一体感が生まれると大好評です。

みんなで○○

── 観客がオレンジ色のアフロをかぶって応援していた日もあったと思うのですが。

5月6日(金)の中日戦で来場者全員に「オレンジアフロ」を配布した「みんなでアフロ」ですね。これも今シーズンから始めた企画「みんなで○○」の一環で、非日常的な空間をみんなで創り、球場一体となって野球を楽しく観戦してもらおうというものです。

── それらキャッチーな写真を「#TOKYOGIANTS」で、拡散してもらうというわけですね。

それが「#TOKYOGIANTS」の狙いですし、今シーズンから始めた企画の狙いでもあるわけです。野球人口や野球ファンは相対的に減っていると言われていますが、そんな中で、巨人戦は毎回ほぼ満員の観客を集めている。昨年実施した来場者調査で最も多かったのは40代男性ですが、10代、20代の男性と女性を合わせて約25%の若者が野球を見に来てくれていました。ジャイアンツファンだけではなく、野球ファン拡大のためにも、野球観戦の楽しさを彼らがSNSで拡散してくれることを期待しているんです。

── スポンサードゲームも多い印象があります。

巨人軍には、オフィシャルスポンサー、サポーティングカンパニーのほかに1日だけスポンサーになっていただくワンデイ協賛があります。巨人戦の東京ドームでの主催試合は年間63試合ありますが、実はワンデイ協賛枠はシーズン早々に埋まってしまいます。そのスポンサーは、メーカーから地方自治体まで様々ですが、年間を通して安定して5万人近くが集まるイベントは他にないことが理由だと思います。それがSNSと結びつくことによって、さらに魅力的なメディアになると思っています。

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